飲食業に携わる方々に早くから学び経験値を積み上げて欲しい能力があります。
僕は飲食業界はブルーオーシャンだと主張する側に居ます。
しかし、超マッチョ主義な世界観で生きている人たちが圧倒的に多い業界だから業界内の方の9割は超レッドオーシャンだと主張すると思います。
飲食業界には、長年働いて貯めた貯金に退職金までブチ込んで飲食業に参入し、家族、友人や知人まで巻き込みボロボロになって消えていく例は無数にあります。
おいしい料理が作れるから!
食べる事や飲むことが好きだから!
人と接する事が好きだから等々。。。
中には、システムがしっかりとしているので安心だからとフランチャイジーとして参入される方も。。。
このような方は今後国内では残念ながら負け戦になる未来しかありません。
人口減少、少子化による働き手不足、逆ドーナツ化現象による都市の家賃高騰や過当競争、業界内の賃金の高騰や1人当たりの労働時間の短縮などだけでも大きく変わらなければいけない節目なのに、GAFAに代表される企業の世界的な躍進により飲食業界の概念ともいえるモノまで大きく変わろうとしています。
おそらく、飲食業界の有名企業のほとんどが大幅に規模を縮小するか倒産していくのではないでしょうか。
飲食人の働き方も変えるべき時期になってしまっているのです。
仕事だけではなく、ありとあらゆる自分をアップデートする為の能力、それがコンセプチュアルスキルです。

コンセプチュアル思考のベースとなる5つの思考スキル
1)定義化 物事の本質をつかみ言葉で表わす。
コンセプチュアル思考は、正解値のない大きなテーマについて問いを投げかけます。
例えば、「成長とは何か」「仕事とは何か」「事業とは何か」「成功とは何か」など。
そうした大きなテーマについて、自分の言葉で再定義をする。
こうして再定義した自分の思考による自分の”観”、
例としては成長観、仕事観、事業観、成功観などを顕在化して表現する思考作業を指します。
2)モデル化 物事の仕組みを単純化して図などに表す。
コンセプチュアル思考では、根源的なものごとに目を向けます。
例えば、職種や業種。
自分の職種・業種について、当たり前すぎるがゆえにほとんど深く考えません。
例えば、
「厨房」職の本質って何でしょう?
「接客」職の本質は何でしょう?
「店長」職の本質は何でしょう?
「マネージャー」業の本質は?
そんな問いについて、モデル化してみる思考作業を指します。
単純な問いですが、根源を見つめると気づきが多いものです。
3)類推 物事の核心をとらえ他に適用する。
例えば、物事Aと物事Bの間に類似性を見出し、その似ている点を基にして何かを推しはかることです。
論理用語では「アナロジー(analogy)」と言います。
コンセプチュアル思考に強い人は、物事Aで引き出した本質を物事Bに適用することがうまい人です。
また、比喩表現も類推のひとつです。
複雑な物事を何か簡単な喩え話にしたり、たくみに喩えられた表現を豊かに解釈できたりするのも、コンセプチュアルな能力が鍛えられてるからこそなのです。
4)精錬 物事のとらえ方をしなやかに鋭く。
概念を研ぎ澄ませていく、これが「精錬」です。
広告業界のクリエイターや企画担当者は、コンセプトを精錬する達人です。
コンセプチュアル思考は、6つの精錬方法をあげます。
1.結合・分離
2.視点の移動・創出
3.ものさし変更
4.置き換え
5.研ぎ澄まし
6.喩え
経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは、「イノベーション」という概念を広く普及させた人ですが、彼はこの言葉を使う以前、「新結合」という表現を使っていました。
イノベーションは「技術革新」と訳されることも多くなっていますが、シュンペーターがもともと含ませたニュアンスは、異種のものを結合することで何かを生じさせるということでした。
また、低価格競争や飽和状態による陳腐化の波に流されそうなビジネスモデルを新しい発想でよみがえらせる『コモディティ化再生発想』の思考作業もあります。
5)意味化 物事から意味を見出す/意味を共有できる形に描く。
自分が担当する業務のオペレーション、サービスなどに意味を見出す。
自分が受け持つプロジェクトに意義を与える。
自分の仕事に使命を帯びさせる。
そして自分が掘り起こした意味の基に、自己を編成更新していく。
こうした作業がコンセプチュアル思考の行き着く最終次元です。
概念は、独自に強く持てば持つほど理念・信念へと昇華していくからです。
世の中に長く残っていく大きな仕事というものには、客観的概念を超えて、客観的理念、主観的信念が貫かれています。
ほんとうに強く、深く、大きく仕事をしようとすれば、いやがうえでも、それをやる意味というものをつかまざるをえません。
そのときにコンセプチュアルな能力はとても大事なものになります。
「コンセプト|concept」とは、〈cept=受け取ること〉の語根が示すように、物事の本質を抽出し、それが何であるかをつかむことでした。物事から意味をつかむことほど難しいものはありません。
目の前の仕事から、どう意味や価値、使命を掘り起こせるのか、あるいは、集団が共有すべき「ビジョン」や「クレド」「バリュー」といったものをどう描き掲げられるのか、このようなところにもコンセプチュアルな思考力は求められます。
ロジカルのみでは独自の答えは出せない。
ビジネスの世界では、基本的にロジック(論理)主導で物事を動かしていきます。
今後もそうだと思いますが、ロジックだけでは行き詰まってしまう状況です。
経済合理性に基づいて、どの会社もロジカルに商品をつくり、ロジカルに競合商品をつくっていくと、行き着く先は利益の出ないコモデティ化の世界です。
QSCに代表されるマニュアル化された空間とスタッフやサービス。
こんなものに価値なんてあるはずがありません。
「どんなビジョン・理念を打ち出しメンバーを牽引していくべきか」
「リーダーとしてぶれない軸を持つためのその軸とは何か」
「我々は変わるべきだが、この先の飲食店は何を問われるだろうか」
「現状のリソース(資源)を最大限生かしつつ、どう再生しようか」
こうした問いに臨む思考は、「わかる」を目指すものではありません。
「わかる」とは「分かる/解る」と書くように、物事を分解していって何か真理に当たることです。
これはロジカル思考が担当する分野です。これに対し、コンセプチュアル思考は「起こす」思考です。
正解値のない問いに、
「概念を起こす」。
「意味を起こす」。
「観(=ものごとの見方・とらえ方)を起こす」。
作業員としてしか見てこなかったこれまでの飲食業界の在り方を改め、一人一人が”個”を発揮し、そしてその集まりである組織が独自に強い事業に再定義していく。
こうした「起こす」思考力の差がきわめて重要になってくるのではないでしょうか。
カッツが唱えた「コンセプチュアル・スキル」
経営の分野でコンセプチュアル能力の重要性を唱えた一人に、ロバート・L・カッツがいます。彼は、『ハーバード・ビジネス・レビュー』(1974年9月号)に寄稿した「Skills of an Effective Administrator」のなかで、管理者に求められるスキルとして、
・「テクニカル・スキル」(方法やプロセスを知り、道具を使いこなす技能)
・「ヒューマン・スキル」(人間を扱う技能)
・「コンセプチュアル・スキル」(事業を全体的に把握する技能)
の3つをあげました。そして、管理者を下級(ローワー)・中級(ミドル)・上級(トップ)の3階層に分け、上にいくほどコンセプチュアル・スキルの重要性が高まると指摘しました。

カッツの提唱した当時はコンセプチュアルスキルはマネジメントレイヤーに必要とされていましたがその後、ピーター・ドラッカーは労働者層にもコンセプチュアルスキルが必要であると説きます。
労働=肉体労働・単純労働だった労働者の仕事が時代の変化と共に知識労働(ナレッジワーク)に変わっていくと考えたからです。
ナレッジワーカーとは知識により付加価値を生み出す労働者を指します。
「与えられていた仕事をこなす」から「状況に応じ、何が最適であるか考える」ことが労働者に必要になっていくことからマネジメントレイヤーでなくともコンセプチュアルスキルが必要であると説いています。
飲食業においても管理職ではなくても、マネジメント戦略やめーケティング戦略の策定や顧客対応、チームの中での自分の役割、オペレーションの効率化など多くの場面で一般労働者が成長する過程でコンセプチュアルスキルに触れていく機会を意図して増やしていく努力が必要です。
経営に対するレイヤーが上がるほど対応する事象は複雑に絡み合い、単一のスキルや思考では解決できなくなっていきます。
全てのスキルを高いレベルで習得することが理想です。経験もコンセプチュアルスキルには重要な要素になります。
高いレベルで本質を見抜き想像性や解決能力に長けている人の思考をトレースするなどして経験・時間を思考で補うこともコンセプチュアルスキルの使い方かもしれません。
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コンセプチュアル思考
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誰も教えてくれない 考えるスキル
大阪を中心に活動している飲食専門の経営コンサルタントです。
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