飲食業界で部下をマネジメントする立場になったら考えるべきこと10選
飲食店では最初のマネジメント経験が非常に大切。
飲食業界で後輩ができ、部下が出来していく過程はある程度の充足感を得られ、まだ後輩も部下もいない時期に仕事に対するフワッとした疑問に感じていた事も忘れ、今得ている充足感を維持していきたい欲求に駆られ、大切な事を見落としがちです。
しかし、今ソコが岐路です!
今回の記事は、部下を持ったタイミングが飲食人にとって非常に大切なタイミングであるから、セルフマインドをアップデートし、マネジメント脳を鍛え上げましょうという提案です!
具体的に説明します!
飲食店で最初に憶える事はキッチン内の作業かホール業務だと思います。
どちらも決められたマニュアルか、レシピで固定化された作業をこなす日々だったんじゃないでしょうか?
憶えるべき作業内容をある程度把握して、本人が望むなら後輩が出来たタイミングで、もしくは昇給試験に合格してポジションが上がり部下が出来る事になりますよね?
この段階では、この方の仕事とはまだ作業をこなす事だけの状態だと思います。
何故ならば、経営に参加するにはクリアーすべきことが多すぎて、1人称で何が出来るのかと考えてきた時期だからです。
しかし、部下が出来たからにはマネジメントを理解し、リーダーシップを発揮し、会社や組織や上司の事情を推し量り、理解・把握に努めなければなりません。
仮に自分が尊敬できる上司や先輩がいるなら、その方が何を考え、何を想い、仕事に向き合っているのかに注目し、時には直接教えを請い、マネジメントについて理解を深めていくべきです。
仮にマッチョ主義の現場で尊敬すべき上司・先輩が居なければ、飲食の作業はどの職種に転職しても大して変わらないので出世したタイミングが転職時期です。
もしくは、マッチョ主義の「老害」と戦い続ける覚悟であれば、結果にコミットした働き方を選ぶ覚悟が必要です。
今そのタイミングが飲食業界で将来に「老害」化するか、飲食業界をハックする人財となるかの分かれ道に立っているのです。
とはいえ、
飲食業界で部下をマネジメントする立場になったら。。。
1、主体性を持つ努力が必要。
自分が出世を望み、よりよいリターンを得ようとしたのだから部下に対する責任は自分が取ろうと決める姿勢が大切です。
もちろん、すぐに持てるはずもなく様々な問題が表面化するシーンでは挫けそうになったり、投げ出しそうになったりすると思います。
しかし、部下が起こした責任は説明責任と管理責任を果たせていない自分の責任だと明確に割り切り、他責しない姿勢が自分を成長させる事になります。
そして、部下の人たちは出世したあなたと違って大抵の人は非常にモチベーションの低い人たちです。
それを責めてはいけません。
同じことを何度も指導させられる事も全て説明の仕方の悪いあなたの責任で、作業を円滑に出来ない人、そもそも理解出来ていない人に出来るようになるまで根気よく何度でも何度でも形を変え、コミュニケーションの仕方を変え、説明し、指導する事があなたの仕事なのです。
心底からの怒り、嫉妬、不満、グチ、泣き言、心配事、恐怖心、焦り、不足感を感じるような器では人を束ねる才能は開花しません。
これらの感情が抑えられない時は日常的に、ではなく限定的に外部の仲間か、信頼できる上司や同僚の前だけにした方が良いです。
日常的に部下や同僚・上司のグチを肴にお酒を飲む人に決してならないで下さい。
飲食業界で部下をマネジメントする立場になったら。。。
2、チャーミングさを持とう。
部下を持つと急に無理に姿勢を正そうと自分でも窮屈な状態を保とうとされる方が多いです。
しかし、無理に姿勢を正そうとしている姿は他者から見ても無理が丸見えです。
不自然な姿勢、言葉使い、態度、表情、立ち居振る舞い全てに違和感しか持たれないので人間性を否定されかねません。
それよりも、不格好でも人間味に溢れ、笑顔が自然に出て、間違えた時には素直に謝れる姿や言い訳がましい事を言わない謙虚さが信頼を生みます。
部下から信頼を得られない人が上司から信用を得る事は出来ませんし、何よりも、その状態では自分の成長速度に悪影響が出ます。
無理を通せば道理が凹むと言いますが、実力がないのにあるフリをする不自然さより、今もつ自然な実力で努力している姿の方が何倍も潔いと認識を持つべきです。
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3、 組織のオペレーションを意識し指示、伝達、通知には背景を伝える力を持とう。
会社、組織、上司から指示、伝達、通知があなたに来た場合、そのまま自分に降りてきたことをそのまま伝えるのは大変愚かな行為です。
会社、組織、上司から降りてきたコトを何故この指示、伝達、通知が来たのかを想像して、あなたがどのように部下に伝え浸透するのか、までがその会社、組織の文化(オぺーレーション)です。
詳しくはケイパビリティに関する記事を読んで頂きたいのですが、自分への指示、伝達、通知を部下にどのように理解してもらえるか?
または、どのように速やかに浸透させるのかが、あなたに課せられた仕事です。
部下に伝えたから、自分の仕事を果たせたと感じる感覚は作業員マインドであり、そのマインドからの離脱こそが自分を押し上げるのだと認識してください。
飲食業界で部下をマネジメントする立場になったら。。。
4、叱り上手になろう。
自分が当然のように出来る事が、できないから部下は部下なのです。
そして、作業員マインドで働く方たちに、自分を成長させる動機や思考術がないのが一般的です。
自分が考える成果が部下から挙がってこない、何度も同じことを聞いてくる、何度も確認しなければ自分が考えるように進捗していかない、何度も同じミスを犯すなど繰り返すのは部下ならば当然です。
まして、作業に関することは人によっては非常に時間を要します。
このような事で怒りが、顔や態度・表情にでて、怒りに任せて部下を叱りつけたり、指導する上司は最悪です。
これに関しては、残念ながらあなたの日頃の指導力不足が起こす件だと強く認識し、自分を猛省してください。
あなたが仮に部下を叱る場面があるとすれば、部下がお客様・スタッフ含め他人を傷つけた時、お客様・スタッフ含め他人のコトを考慮せず、自分の都合だけを考えた言動をした時のみです。
作業に関するコト、モチベーションに影響を受ける遅刻や欠勤、やる気、言動や理解度。
知性に影響を受ける人間性やお行儀などその方の日頃の言動などに関するコトには怒りに任せて叱りつけても無駄だと知るべきです。
そのような件に対して指導すべきと感じた時には、職場から離れたタイミングで1対1でのコミュニケーションの中で指導すべきです。
あくまでも叱るのではなく、アドバイスを贈る気持ちを持って行うのです。
日頃の自分のコミュニケーションによって改善できる内容もあり、叱りつけても本質的に相手が良くなることなどないのです。
飲食業界では、他に法律に抵触する事案を部下が起こす場合も起こると思いますが、コレに関しては指導や叱る場面ではなく会社、組織、上司に報告・相談し、適切な判断を仰ぎましょう。
見逃したり、もみ消したりする事は、自分の為にも部下の為にもなりません。
正直に、ありのままを冷静に報告・相談しましょう。
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5、部下を心より仲間として引き入れ、承認しよう。
マズローの欲求5段階説に関する記事を見て頂きたいのですが、社会人の大抵の方は社会的欲求と承認欲求の狭間を生きています。
これを、心底理解していることがマネジメント、リーダーシップには大変必要です。
もちろん、それ以前の欲求すら満たせていない場合もありますが、大抵のの場合この2択です。
マネジメント、リーダーシップに対する内容に、褒めることを推奨しているモノをよく見かけますが、社会的欲求までの中で生きる人に褒めても大して効果を発揮しませんし、むしろメラビアンの法則の中途半端な理解やメタ認知力が欠乏している上司がコレをやれば生理的に拒絶されるか、気持ち悪がられて信用されません。
今部下がどの欲求に対して欠乏しているのかに個別に注視している必要があります。最終的には自分の仲間やチームに相手が心の底より所属していると感ずる状況をつくる必要があります。
このような状態になった方に対して、褒めて承認していく事で更に部下の仕事に対する取組みが向上するのだとの理解が必要です。
またウィンザー効果などの手法を活用してより自分の取組み精度を高めましょう。
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6、気持ちを共有し部下を無条件で信じよう。
あなたのコミュニケーション能力なくして、部下が自主的に動いて頂ける体験はできません。
仮に幸運にもそのような部下に恵まれた場合は、飲食業界内では特例中の特例だと認識すべきです。
そして、それは自分への心地よいプレッシャーにもなってくれるはずです。
何故なら、自主的に会社、組織、上司的に見て問題なく働いて頂ける方は将来あなたを抜き去り出世を果たす力を持っているかもしれないからです。
通常の場合、飲食業界に入ってくる方でこのパターンは非常に少ないですから期待せず、今ある環境を心より受け入れることが大切です。
ないものはナイ!のですから。
それよりも、部下とのコミュニケーションにおいては濃度より頻度です。
あなたが濃密な時間を割いたと感ずる飲み会などの席で話したコトよりも日々の中の円滑なコミュニケーションで少しづつ蓄積される相互理解の方がより部下からの信頼を勝ち得ることになり、あなたも部下を信用するようになるのです。
そして、心は以心伝心ですから。
必ず自分から無条件に信ずる気持ちを持ち、相手からの心の変化を待つのです。
このような日常の習慣はあなたの将来を約束させる力を得ていくでしょう。
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7、自分の過去の成功・失敗体験や上司から聞けた心に刺さった体験を語ろう。
多くのことを話そうとすると意外に人は自慢話にすり替わっていくものですから簡潔に伝えることが肝要です。
自分の成功・失敗体験を話したり、上司からのアドバイスを伝える事で部下は疑似体験する事になります。
これは部下自体の働き方をよくする効果もあり、会社、組織のオペレーションの強化にも繋がります。
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8、コミュニケーションは日常と非日常の使い分けで決まる。
仕事中に仕事の立場に応じて話しかけるのは当然ですが、仕事を離れたタイミングでも仕事の立場で接していく人が大変多いです。
しかし、コレは明確な間違いです。
昨今のビジネス環境では年齢が随分上の部下など当たり前にある環境です。
そのような方に仕事中と仕事外とで話し方、接し方を変えることが出来る人間性は第三者から見ても、当事者からも非常に好印象です。
そして、そのON,OFFの切り替えが上手な方で円滑に表現の出来る方は人間性への信用と仕事に対する本気度を同時に示せる事になります。
仕事とは、非日常です。あなたの日常はプライベートにあります。
どちらが日常でどちらが非日常かがわからない方も大変多い。
非日常である仕事では戦略的に生きる思考と経験が非常に大切なのです。
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9、部下に自分の身近な野望や夢を語ろう。
ある程度部下からの信頼を勝ち得ることに成功すれば、部下に、より自分自身へのコアなフォロアーになってもらう努力に努めましょう。
あなたの昇給が部下の昇給に繋がるループが、相互に確認できた時には、非常に強固な関係を構築できるようになります。
大きな実現不可能な夢ではなく、身近な現実可能な夢を語る事を繰り返すことで、部下にも成功体験を共有して頂くことになり、それは絶対的な信頼を勝ち得る事にもなるのです。
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10、 出世すればするほど勉強して勉強して勉強しかない。
勉強をする事はとても大切です。特に、初めて部下を持った人の最初の1年間は、一生懸命に勉強をする努力をしましょう。
最初はマネジメント・リーダーシップ関連の本を読むのもいいでしょう。
10人のマネージャーがいたら、10通りのマネジメント方法があることに気付くでしょう。
また、ビジネスマンとして新たな引き出しを生み出すこともできるようになります。
飲食業界で部下をマネジメントする立場になったら考えるべきこと。。。
まとめ。
上司になる経験は、非常に大きな最初の一歩です。
そして、人を牽引するスキルこそが、自分のキャリアを押し上げます。
テクニカルスキルのみに偏った成長では、自分が想い描く将来など描けないものです。
マネジメントやリーダーシップの理解を深め、より知識を活用して運用した経験こそが未来を切り開く自分だけの武器に成り得るのです。
参考として僕が統括する飲食部門の従業員に週1回講習で行っている内容で2019年後半に実施した『飲食経営の店長を目指す方が最初に学ぶべき講義 | 飲食経営顧問』という内容をUPしましたのでコチラも参考にしてみてください。
僕は飲食業界で25年間マネジメント層として現在まで働き、今は年商8億円の飲食部門の統括をしております。
それとは別に、飲食店開業コンサルタントとしてこれまで多くの飲食人とお仕事をさせて頂いております。
そして、今記事を書かせて頂いております、「飲食マネジメント経営.blog」の運営をしております。
大阪を中心に活動している飲食専門の経営コンサルタントです。
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