飲食店で働くというより、人として生きるのに大切な伝わるしくみ。 | 飲食経営顧問

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飲食店で働くというより、人として生きるのに大切な伝わるしくみ。 | 飲食経営顧問

 

人に伝わる仕組みを理解することが強く生きる力を生み出す。

 

電通で20年以上働き、現在もクリエーティブディレクター、コピーライターとして活躍されている山本高史さんの著書「伝わるしくみ」を読んだのだが、非常に気づきがある良本だったので、僕なりに考え直してみたい。


山本高史さん曰く、言葉とは伝え手から受け手への提案だと言われています。


僕は、この一文を見た瞬間的に脳に衝撃が走りました。


この瞬間に全ての今までのコミュニケーションについて何かモヤモヤしていた全ての事象が一気に解決するような感覚でした。


何故このように感じてしまったのか。


伝え手は言葉の受け手に対して、例えば、

「昨日のあの件、大丈夫?」
「昨日、ごめんねーまた今度埋め合わせするよー」
「あの場合、しっかり目を見て謝罪すべきやろ」

に対して、伝え手は受け手に対してどのような秘められた提案があるのか?


「昨日のあの件、大丈夫?」は「昨日のあの件、大丈夫だった?ちゃんと報告してね。」となるように言葉とは伝え手が何かしらの提案をしていると書き換える事が出来る性質のものだという事。


「昨日、ごめんねーまた今度埋め合わせするよー」は「昨日、ごめんねーまた今度埋め合わせするよーまた誘うし、誘ってねー」となりますよね?


「あの場合、しっかり目を見て謝罪すべきやろ」は「あの場合、しっかり目を見て謝罪するべきやろ?今回の件をしっかり反省して次回から気をつける様に!」と書き換える事が出来る。

このように、伝え手からすると、一方的に受け手に対して提案しているという深層真理があり、この潜在的な自分でも100%で理解していない、自分自身でも自覚出来ていない自然な提案に対して、時には受け手が快く応じてくれたり、拒否をされたり、無視をされることにより、自分の提案が自分が望む形で相手に伝わらない時に非常に苛立ちなどを感じてしまうのではないでしょうか?

とはいえ、受け手からするとそれが伝え手の潜在的な提案だとしてもリアクションは必ず、「YES」で応じる義務はない。


完全な従属関係ならば、「YES」の他に選択肢はないのだろーが、そんなコミュニケーションなど存在しない。


受け手はどんなリアクションがあるのかと言えば、

提案に応じる。
提案を拒否する。
提案をスルーする。



となるでしょう。

 

このリアクションもコミュニケーションスキルが互いに優れていない場合、互いにトゲある提案、トゲあるリアクションになる場合もあり、伝わるしくみを理解できていないとより深刻な互いの溝になる場合があるという事でしょう。

とはいえ、伝え手が発した言葉がいくら仕事に関連されたワードだったとしても、受け手は全てに真摯に対応する義務がありませんよね?


時には拒否やスルーしても受け手の自由だという事です。

このように言葉とは、伝え手の提案に過ぎないにも関わらず、伝え手は受け手が拒否したり、スルーしたり、何度も同じことを言わせる!や相手が自分の思うように動かなかったコトに対して感情的になるのである。

非常にこのように考えたら不思議な現象があちこちで起こっている事が理解できるんじゃないでしょうか?


なぜなら、リアクションは受け手の自由であり、言葉は伝え手の提案に過ぎないからだ。

ならば、どのように伝え手は受け手に対して言葉を伝えたらいいのだろーか?


ここも山本高史さんは明確に答えており、それはベネフィットだと仰られています。


もう、この著者のこの本に出会えたことは本当に幸運であったと僕は思います。


提案であるならば、受け手にベネフィットを提供することが一番効果的であることはマーケティングを活用して仕事をしている我々には明確に理解出来ているのに言葉を伝わるしくみを心底理解出来ていなかった為に、こんな単純な解を解けないままコミュニケーションに苦心してきたのである。

とはいえ、このベネフィットを織り交ぜての提案だったとしても、受け手が応じるか、拒否するか、スルーするかについても受け手の自由だという事。


まーこれはマネジメントを理解出来ている方には伝わるしくみが解れば理解できますよね?


まーこのように、「伝わるしくみ」が心底理解出来れば、強く生きる為の動力を得れたようなもので、人生においてたった千円ちょっとで得れる有益な気づきを与えてくれる本の力には毎回感服する想いだ。

 

 

人に伝わるしくみとマズローの欲求5段階説を組み込む。

 

伝わるしくみを理解できると職場での人たちへのアプローチ法が変わってくると思います。


飲食店に働きにいく最初の段階はヘタをすると生命の欲求さえ脅かされている状況の人たちもいる特殊な環境ですので、新人さんへのコミュニケーションは慎重を期する必要があります。


この状況に置かれている新人さんにとって、次の給料日までにどのように生きていくのかが目の前のテーマである場合が多く、賄い制度や休憩時間時の先輩従業員からベネフィットを織り交ぜた恩着せがましくない提案方法に気を付ける必要がある事が解りますよね?


また、新人さんであることから時間給で最初の給料を支給されることから、慣れない現場での仕事に精神的にも肉体的にも疲れやすい時期なので気遣いながらも、ベネフィットを織り交ぜて無理しないように提案しつつも来月からの生活(最初に支給される賃金)のことも考えているでしょうから、新人さんにある程度自分が慣れていくペースに合わせて働く時間を決めさせてあげる気遣いも必要になるのではないでしょうか?


次に、安心欲求へのアプローチとして、飲食店は最初に様々な事を詰め込まれる場合が多く、この段階で「私には向いていないのではないか?」とイージーミスを飲食業での働き方に慣れている周りの方たちと比べて、イージーミスを犯してしまっている自分や憶えきらない自分を責めがちになります。


このような状況にある方へ、

「あーそれなんでしたん?」
「あーそれ違う違う。」
「何回言ったら憶えるの?」

などの言葉を人間関係も構築されていない方から言われたら、受け手からすれば、
「あーそれなんでしたん?これはこうしなさいっていってるんだからこうしてね!」となるし、「あーそれ違う違う、これは説明したよね?もう間違わないでね?」となるし、「何回言ったら憶えるの?これ以上同じ事言わせないでね?」みたいな感じで受け手は受け取ってしまう可能性は濃いでしょう。


こー受け取ってしまうと、安心欲求が満たされた状態で過ごせるでしょうか?


仮に、その新人さんの受け手の方が、生活面で安定的な生活レベルや余裕がある方なら、提案に対して応じる事も拒否する事もスルーする選択肢もあり、その伝え手の言葉は造作もない先輩スタッフからの言葉に感じてもらえる 。


しかし、公私ともに心に余裕のない方の場合は応じる選択肢しかない状態に感じてしまう場合が多く、更に受け手を精神的に追い込んでしまう可能性が高いので言葉選びは慎重に期す必要があると感じる。

 

人に伝わるしくみを理解して自分の弱みを知り、より伝わるコミュニケーションへ。

 

言葉が提案であるならば、どのように相手に伝わるかは人間関係に大きく影響される事が改めて認識出来ていると思います。


言葉を伝達だと感じてしまっている人からすれば、言葉を吐くように伝えても言葉を伝えたのだから目的を達せられたと認識しがちです。


しかし、提案となれば通常の関係においては、必ず、応じるか、拒否か、無視かの選択肢があるのだから、言葉選びを頭で咀嚼してから発する必要があります。


また言葉の伝達であるならば、その言葉の奥を感じ取る必要が相手にはなく、伝え手も言葉の奥をどう読み取られるのかを考える必要もない。


しかし、人に伝わるしくみが必ず提案であるのならば、話が違ってくる。


僕は、コミュニケーションとは相手への気遣いや慈しみといった気持ちで理解していたし、相手に言葉が刺さらないのはコミュニケーション不足だと認識してきた。


しかし、提案であるのならば信用を構築出来ていない段階であれば、より大きなベネフィットの提示が出来ないと提案自体成り立たないのである。

よーするに、相手が望む事を理解しよーと努め、相手が望む何かしらのベネフィットを提示出来なければ、コミュニケーションなど取れないのである。

このように考える事ができると、今までコミュニケーション力の弱い方たちと思ってきた事に対して何故に同僚や部下など仲間から信頼を得れていないのかの理解が出来る。

職場における先輩、同僚が提示できるベネフィットとは、気遣いの他には現場能力だからである。


たとえば、テクニカルスキル全般に対して魅せる、教える、説明出来るなどがそれだ。


そして、フォローできるコトもベネフィットとして考えられる。


他にあるとすれば、他の人たちとの関係を繋ぐなどの仲介的なコトだろう。


このように考えると、やはり今までコミュニケーション力を欠くと判断されてきた方たちが、「コミュニケーション力」+「能力」が足りないと明確に判断できるだろう。

飲食店で生きるのに欠かせないヒューマンスキルを更に補完する人に伝わるしくみの理解。

 

このように伝わるしくみを理解できると、リーダーシップが「能力」×「人格」といった事にも、より濃いリアリティが生まれる。


こーなってくると、やはりテクニカルスキルで魅せるや説明出来るや教えるといった力はセンスもあり、そー短期間で学びきれるモノではないので、気遣いや人と人を繋げるなどといったヒューマンスキルのほかに、怒り、嫉妬、不満、グチ、泣き言、心配事、恐怖心、焦り、不足感など後ろ向きな姿勢を見せない自分を演じる力も人に伝わる力には影響がある事が解る。


そして、こうなってくると生活の大切さまで改めて早い段階から問われてしまう事にも繋がり、仕事で得た地位で生活を安定させた先に充足感を得るといった考えがまるっきり破綻した理屈であることが解る。


少しでも早く動けなど最近よく耳にも見もするが、あながち間違いではない事も改めて理解出来る。


逆説的ではあるが、伝わるしくみへの理解はヒューマンスキルを鍛えることに繋がりそうだ。


つらつらと書いてきましたが、本当に大変良い本との出会いはうれしいものです。


是非、読んで頂きたい。

 


伝わるしくみ

 

良書である。

 


 

大阪を中心に活動している飲食専門の経営コンサルタントです。

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