百田尚樹の新・相対性理論 書評 人生を変える時間論
百田尚樹の新・相対性理論は、
発行日 2021年1月25日
著者 百田 尚樹
発行者 株式会社 新潮社
百田尚樹の新・相対性理論の導入文
気が付けば還暦を4年を越え、まもなく65歳になろうとしています
(中略)
実は私と同年生まれの男性の約12%はすでに亡くなっています。
統計的には私と同年生まれの男性は毎年約1%ずつ死んでいきます。
70歳からは約2%ずつに跳ね上がります。
(中略)
古代、「死」は突然やってくるものでした。
もちろん現代でも心筋梗塞などで突然死を迎える場合もありますし、交通事故など予測せぬ事故や災害で死ぬこともあります。
(中略)
しかし古代はそうではありません。
(中略)
人類は少しでも長く「生」を続けるために様々な努力をしました。
(中略)
それでも「死」を克服することができません。
(中略)
人類は「長生き」のために、とんでもないことを考えました。
それは医学や栄養学とは全く異なるアプローチの発想です。
(中略)
それは「時間の概念を変える」という事です。
(中略)
この驚くべき発見をこれから説明することにしましょう。
(・Д・)
な、な、なんと…
謝罪も全部、ネタ?もう、この人の言うことに対して、まともに取り合うのはやめたほうがいいな😅 https://t.co/6oMrmXYvHG
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) January 24, 2021
百田尚樹の新・相対性理論のもくじ
第一章 すべては「時間」が基準
■物理的な時間を長く生きても「長生き」にはならない
■すべての道具は「長生き」のために作られた
■人類の発明品は「楽しい時間を生み出す」ために作られた
■「時間の長さ」は心で決まる
■なぜ年齢で「時間」の流れの速さが変わるのか
■楽しい時間が早く過ぎるのはなぜか
■「苦しい時間」が「楽しい時間」に変化する不思議
第二章 現代社会と「時間」
■人間社会は「時間」に売買で成り立っている
■金を盗むのは「時間」を盗むのと同じである
■殺人は「時間」を奪う究極の犯罪
■「才能」とは、同じことを他人よりも短い時間でやれる能力である
■人類が戦い続けてきてのは「早さ」と「重さ」である
第三章 時間はあらゆるものに交換可能
■社会は「時間の交換」によって成り立っている
■使わない金は石ころと同じである
■私たちが所有している全ての品物は「時間」を換えたものである
■言葉は人類が「時間」を越えるために作られた
■人類が「時間」の壁の前に敗れる時
■「時間」は失った時に初めてその大切さを知る
第四章 私たちの「時間」を奪うもの
■現代人が最も恐れるものは「退屈」である
■娯楽の多くは退屈を恐れるために作られた
■「時間」を買わされている現代人
■「時間」はあらゆることに交換可能だが、それを再び「時間」に戻すことはできない
■世界の富をすべて使っても「20歳の1日」を取り戻すことはできない
■自殺は究極の「時間の投げ捨て」
第五章 「止まれ、お前は美しい」
■恋愛の喜びは「時間の共有」にある
■「慣れ」の恐ろしさ
■古代人が壁画で本当に描きたかったものは何か?
■芸術のみが「エネルギー保存の法則」を超える
■成功を望むなら「今やるべき」ことを今やる
百田尚樹の新・相対性理論の要約
序盤は、物理的な時間を長く生きても「長生き」にならず、「充実した時間」を長く過ごすことが本当の「長生き」だと著者は刑務所に服役して長期間「自由」を奪われた囚人の人生をたとえに話を進めます。
ようするに、「時間」とは人間のすべての基準であると説いています。
古代人が道具に工夫し文明を持ち出した頃から、そこから脈々と自分の「時間」を増やすための「時間短縮」させる発明品が文明を進歩させてきた歴史であると。
そして、有意義な時を過ごす「新たな試み」や「充実した経験」など一瞬で過ぎ去るような心理的時間を錯覚と見做しているのは間違いだと著者は言います。
あらゆる作業の結果として生まれる「成果、評価、報酬、達成感」などは、すべて「時間」を形にしたもので、心を新鮮に保ち、驚きや感動のある日々を送ることで、いずれ人生を振り返った時に、充実した時間となって残り、「長い時間」を生きた事になると説いています。
中盤は、人間社会は「時間」の売買で成り立つという仮説から、「仕事」というのは、別の見方をすれば「時間の売買」なのですと著者は言います。
ビジネスパーソンは、時間を売り、得たお金で楽しい時間を買っている。
だからこそ、「時間を売るもの」なら誰でも高く売りたい。
無限ではなく、有限なのですから脳と心と身体が有効に使える期間しか高値で売れないのだから働き盛りの時はできるだけ高く、また効率的に売りたいと考えるから偏差値の高い一流大学を出て、時間を高く売れる職業の一流企業・官僚・医者などに就くことに多くの人が憧れると著者は言います。
日本を含む先進諸国では、偏差値の高い一流大学を出た人ほど給料の高い会社に入りやすいですが、これは一流大学に入った者は優秀と見做されているからです。「優秀」というのは、他人よりも努力を重ねた結果であるとも言えます。
そして「努力」というのは、言い換えればそれだけ時間をかけたということです。
これはすべてのことに当てはまります。
他人よりも優れた技術や能力を持つ人は、それを得るために人よりも長い時間をかけています。
だからこそ、それらの技術や能力を用いる時間は高く売れるというわけです。
「才能ある人」というのは時間を短縮することに優れた人であり、「努力する人」というのは時間を投入することに優れた人と言えます。
人がある業績を残した場合、それが才能によって為されたものか、努力によって為されたものかは、実はほとんど区別されません。どちらにしても、その結果というのは、その人物の「時間」の使い方にあるというわけです。
終盤は、社会は「時間の交換」によって成り立っていると仮説し、楽しみの多くは他人の時間を買ったもの。
✓コンサート
✓スポーツ観戦
✓芝居
✓寄席
✓映画
✓旅行
✓レストランでの食事
結局、人生は「時間の交換」によって成り立ち、「お金」や「物」は時間を交換するための道具だと定義できるとしています。
このように、定義すると「どんなふうに生きれば最も幸福であるのか」が見えてくる。
「時間と金と豊かな生活」について、メキシコの漁師とアメリカのビジネスマンの話を紹介し、結局「豊かな人生」とはなんだろうと読者に問いかけます。
人類の偉大な発明である「言葉と文字」は、知識の保存と伝達を可能にして「時間」を打ち破った。
ところが、先人の偉大で膨大な知識は吸収できても、心の成長は常にゼロからのスタートで、感情を完全にコントロールできず、先人の偉大で膨大な知識を活かしきれていないとも著者は言います。
先人はたくさんの格言を残しました。
「光陰矢の如し」
「歳月人を待たず」
「時は金なり」
など、先人たちは後世に「時間の大切さ」を残しているのに本当の意味で「時間の大切さ」を理解していない可能性があることを著者は指摘します。
人は無意識に自分の時間を有効に使おうとするのは、
「有限である時間しか与えられていない」
人間の潜在的本能だと著者は言います。
だから、常に「時間」を何かに交換する。
「お金、モノ、楽しみ、喜び、評価、成果」等。
とはいえ、時間と同等のお金は増やすことが可能で、使わなければ減らないに対して、
”自分に与えられた時間は増えることがないし、使わなくして減らないようにも出来ない”ことが時間の恐ろしさであると著者は指摘。
ところが、現代人は便利なものが次々に登場し、働く時間すら短縮してきたことで、自由な時間が生まれました。
この「自由な時間」を長らく制したものが、テレビであり、現在ではネットだと著者は言います。
しかし、視聴が「時間」と同意である「お金」を必要としないから、テレビやネットに時間を奪われている感覚が起こりにくく視聴することで、間接的にテレビやネットのソフト制作費用を広告費という形で上乗せされている商品を購入している。
つまり、「自由な時間」を持て余した現代人は無料という罠にハマっている。
その証拠に「命と同意の時間」を適当に過ごすことを「時間を潰す」と表現しますが、
英語では、「kill time」、「何をして時間を潰す?」に対して
「How do you kill time?」といい、その他諸国でも同様に表現するらしいです。
よーするに、先人たちは「適当に過ごす時間」を「死んだ時間」と考えていた証拠だと著者は言います。
そして、「時間」は日常生活にある全てのモノに交換可能で、
「お金、モノ、楽しみ、感動、評価、成果」等
しかし、それらを再び「時間」に交換することはできない。
よーするに、「時間」の交換は、常に不可逆的でかつ絶対的な一方通行であると。
そのことに気づくと、「適当に過ごす時間」=「死んだ時間」は非常に虚しいのではないかと著者は問います。
人生を成功の秘訣として、不確実性(不慮の事故・会社の倒産・重篤な病の罹患・家族の死や玉の輿や宝くじなどの高額当選)は一旦置いておくとして、「適当に過ごした時間」=「死んだ時間」を過ごさないこと。
「時間を無駄にせず、やりべきことの優先順位を間違わず、今やるべきことを、今やる」
人生の成功の秘訣は、こんな単純なことの繰り返しだよと。
百田尚樹の新・相対性理論 人生を変える時間論 書評 読みべきポイント
百田尚樹の新・相対性理論を手にするきっかけは、上念司氏とのバトルがきっかけでした。
なんや、百田はん相変わらず仰々しいテーマやなーみたいな感じで購入を決まました。
読み終えた感想は、うん真理、百田はん素敵でした。
アインシュタインの相対性理論は、全ての基準は光で時間も伸びたり縮んだりします。
しかし、著者の新・相対性理論は「濃密な時間」が人生を一変させると説いてます。
これは、「幸福の土台」を強固にしてくれる時間の本質を教えてくれる良本です。
また、著者らしくわかりやすく読みやすい。
「時間」のあやまった使い道を知ることは大変、有意義だと思います。
睡眠を必要以上にとること
無意味な集会に参加すること
テレビやネットをボーっと視聴すること
こんなことをして、未来を変えることなんて出来ないのです。
理解できている人たちは、一刻も無駄にしない思考で行動にしているのに、一般的な8割以上の労働者は短くなった労働時間でただ単に因縁喰らいみたいな自堕落な生活をしている。
自分の命と同意である「時間」を売って得た「お金」で、他人の命と同意の「時間」を買っている。
「お金」は増えたり・減ったりするが、自分に与えられた「時間」は決して増えることはない。
「時間を無駄にせず、やりべきことの優先順位を間違わず、今やるべきことを、今やる」
そして、一般的な人たちが得る事のできない「果実」を早く掴み取ってから、やりたいことに没頭しようというメッセージ。
他人の売っている「時間」を買っているつもりになって心を安くして優位性のない人生を生きていることに気づかないことは本当に怖いことだと思います。
何を言ってやがると感じる人も多いでしょう。
何故ならば、10代から20代前半の筆者も同じだったからです。
親が引いたレールに乗ってダラダラ過ごす毎日が最高だと思っていました。
努力をせず、何も感じずに挑戦しない数年間を今振り返ると「後悔」しかないです。
なぜ、「命」と同意の「時間」を無駄にしてしまったのか。。。
本当の意味でこれに気づいたのは40代になってからでした。
しかし、この「百田尚樹の新・相対性理論」には、人生を自分の手に取り戻すべきヒントが盛り込まれています。
他人に自分の人生、つまり「命と同意である時間」を委ねないヒントが詰まっている本だと思います。
若い人だけでなく、なんだか自分が想い描く人生を歩めていないおじさん・おばさんにも読んでほしい1冊です。
「百田尚樹の新・相対性理論」の書評を書いている筆者は、
他にも、飲食店開業コンサルタントとして、これまでたくさんの飲食人とお仕事をご一緒させて頂いております。
今ご覧になって頂いている記事がある「飲食マネジメント経営.blog」は、飲食業界のマネジメントを活用した有益な情報を発信するブログサイトです。
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